芳村思風と言う、感性論哲学の創始者がいます。感性が生命の本質であり、人間の本質であり、宇宙の究極的実在であるとする哲学を、初めて体系化された方です。
「人間を決定するものは、考え方ではなく感じ方である...」「真実の愛とは、他者と共に生きる力であり、短所を許し補い、長所と関わる力である...」等々、多くの一文を世に送り出されています。
思風先生の講話を初めて聴いたのは、今から10年前ですが、その中で「人生は解釈力で決まる」をご紹介します。芳村思風の世界を一度覗いてみてはいかがでしょうか?おもしろいですよ!
人生は解釈力で決まります。過去の出来事や苦しかったことを「あんなことがあったからこうなってしまった」ではなく「あんなことがあったからこそ今がある」と考えられるかどうか。「あんなことがあったからこそ今がある」と考えられたとき、未来だけではなく、過去も変わる。
物事には、どんなものでも二つの側面があります。臆病な人と慎重な人。頑固な人と意志が強い人。優柔不断の人と思慮深い人。行き当たりばったりと臨機応変。明るい人と軽い人。統率力がある人とワンマン。...同じような性格でも、プラス面を見るのとそうでないのとでは、全く違ってきます。人間は、ほめられると、その人の前ではその面をだそうとして、ついつい意識してしまいます。明るい人でも、いつもどんな時でも、どんな人とでもそうとは限りません。...常にゆらいでいます。
宇宙には、秩序を求める動きがあります。片方に振れすぎると元へ戻そうとする働きです。プラスとマイナスがバランスを取り合っているのです。どんな素晴らしい改革も不利益を受ける人間が半分いる。...かといって変化しなければ成長はない。不利益を受ける人が半分いることを考えながら、改革を進めていく。事件や犯罪があるから、どうすれば防ぐことができるか、減らすことができるかと考えることで、社会は発展するのです。問題が起こることで、修正すべき点や改善すべきことがわかるのです。
不完全を生きる。矛盾を内包した真実の世界を生きる。命の痛みを伴った体験は、眠っていた潜在能力を目覚めさせ、経験として活かして人間を成長させてくれるのです。
プラス思考とは、物事の解釈力のことです。