こんにちは。
私は縁あって【古民家再生協会】の活動に参加しています。
実際の古民家を利用させていただいて、鑑定実務講習をしています。
今回は、児島下津井にある築150年超の立派な商家です。
江戸時代から明治にかけて北海道と本州を結んだ北前船の港町として繁栄し、
地元の特産品を取引していたそうです。
随所に、貿易品の成果を感じる調度品があったり、
室内の造作にも様々な名残が残されています。
床の間の上部の壁には、サンゴが埋め込まれています。
サンゴの壁の裏側です。
板がむき出しのままにされていますが、これは職人さんの粋な心遣い。
完成させてしまえば、それで仕事は終了となるのですが、
あえて未完成の部分を残し、存在感を示すという遊び心です。
伝統ある商家ということで、お約束の大きな金庫があります。
そして・・・
畳をめくると、そこには隠し金庫の扉が現れました。
こちらの蔵にも、貴重な資料となる品々や文献がたくさん残されていました。
私は本来の建物の鑑定業務をすっかり忘れ、数々のお宝にくぎ付けになってました。
奥深いドラマとロマンが詰まった古民家の魅力にまた引き込まれてしまいました。
【下津井町街並み保存地区】に指定されていることもあり、地区住民の所有権,財産権を尊重し,加えて生活環境の向上を配慮しながら保存地区の特性に応じた修理,修景等を行い,残された下津井の歴史的景観の保存に努め,後世に伝える。という理念で今後の活用方法を模索している所だそうです。